美代 賢吾(国立国際医療研究センター 情報基盤センター長)
乳腺検診、乳腺精密検査、甲状腺精密検査の超音波検査の撮像において、診断に役立つ検査技術のPitfallを指定演者にご講演いただきます。
リンパ節の超音波診断は他のモダリティに比較してより細かなリンパ節が描出できるとともに診断能も比較的高いとされます。本セッションでは、乳癌センチネルリンパ節の同定や転移診断における超音波検査の位置づけや評価法にも言及していただきます。
日本超音波医学会がAMEDの研究助成により「人工知能の利活用を見据えた超音波デジタル画像のナショナルデータベース構築基盤整備に関する研究」を肝腫瘤と乳腺腫瘤に関して進めています。その実現にはデータ収集のための基盤整備が必要であり、収集されたデータの多様性が診断にどのような影響を及ぼすのか未知の世界とも言えます。一方でこれまで独自に比較的均一性の高い画像データを収集しこれをもとにAI診断の研究を進めてきた方々もいらっしゃいます。この企画ではそれぞれの立場で乳腺領域超音波検査のデータベース構築やAI診断に関しての現状をご紹介いただく予定です。
頭頸部全般に関する超音波診断は、今後ますます発展していく領域です。日本、韓国、台湾でそれぞれ頭頸部外科医による頭頸部超音波診断の体系づくりが始められており、今後の共同研究開発のためにも共通認識を持つことができればと考えています。
唾液腺のうち、特に耳下腺、顎下腺はその描出のコツさえつかめば、超音波で診断することは容易であり、他のどの画像診断よりも超音波診断が病変描出や機能評価においても有用です。しかし、これまで標準的な検査法や診断手順がなかったため、診断に適さない画像条件、観察断面で診断が行われ、超音波診断の力が十分に発揮されていない可能性が高い。そこで、検査手順および診断の考え方の標準化、普遍化を試みるための第一歩としてこのシンポジウムを企画します。
超音波ができる人材を育てるために必要な事を、今一度振り返る。主に教えている技師代表、指導医師から、現状の問題点や課題、肌で感じていることなどを出し合っていただきます。今後の解決策の方向性が見えてくる事を期待しています。
J-START報告がなされても、昨今の医療事情からJBCSガイドラインでは「超音波検診は弱く推奨しない」となってしまいました。乳房超音波検査に期待されていた医師、技師は不安を感じていると思われます。各エキスパートに最新技術を含めて解説していただき、今後の方向性を話し合える企画にしたいとおもいます。
日常の超音波検査で経験することの多い甲状腺疾患について要点を整理して勉強しようとの企画第2回はびまん性甲状腺腫を来す疾患をとり上げました。構成は甲状腺超音波診断ガイドブックに沿ったものとしています。いずれも超音波所見のみで診断するような疾患ではありませんが、超音波検査で読み取れることを再確認いただき、明日からの検査にお役立ていただけることを願っています。
体表リンパ節は体表臓器超音波検査の際に偶発的に見つかることも多く、近年その超音波診断に対する関心が高まっているため、リンパ節超音波診断の標準化に向けての整備が急務となっている。これは、表在臓器の超音波診断を取り扱うJABTSの重要な役割と考えられる。この企画では各領域におけるリンパ節超音波診断の現状及び問題点を取り上げその解決策を講じるとともに、標準化に向けての取り組みにつき検討する。
non mass like enhancement症例を対象としたバーチャルソノグラフィを活用した乳房温存術の切除線決定の精度を問う多施設共同前向き試験がスタートしました。試験紹介と実際の症例を提示します!
2012年8月のソナゾイド®市販後の実臨床で得られた乳房造影超音波検査(CEUS)画像を集積し、改めて造影パターンの特徴を明らかにする目的で多施設共同研究「造影超音波を用いた乳腺病変の造影パターンについての検討」を実施し、JABTS41で良悪性の典型例と判定項目を呈示した。JABTS42では、本研究の副次評価項目である、「BモードにCEUS加える事で良悪性鑑別診断の感度・特異度・正診率および確信度が上昇するか」を評価し、症例提示を混じえ報告する。