腹部エコー研究会は1977年に発足した会で、現在は年間3回開催され、2009年9月には記念すべき第100回研究会が行われました。また2014年5月には日本超音波医学会第87回学術集会、2015年5月には日本超音波医学会第88回学術集会と同時に開催させていただき、多くの医師や技師の方々のご参加をいただきました。今回開催されます第129回研究会は国立がん研究センター中央病院放射線診断科の水口安則先生が当番会長を担当され、4年ぶりにUltrasonic Week2019として日本超音波医学会第92回学術集会との同時開催にさせていただくことになりました。会場はグランドプリンスホテル新高輪(東京:品川)です。
本研究会の最大の特徴としては、毎回数施設から問題形式で超音波画像が呈示され、参加された医師や技師の方々の間で超音波画像の読影のポイントや鑑別すべき疾患、さらに撮影の仕方など、さまざまな討論が徹底的に行われる点が上げられます。同じ画像でも読影する方によって指摘されるポイントがさまざまで、自身が気づかなかった点を知ることができることも大きな魅力です。また超音波画像に加えてCT、MRI、内視鏡画像などとの比較検討、さらに手術肉眼所見や病理所見も対比させて検討されるため、大変充実した内容となっております。対象は消化器領域を中心として、泌尿器・産婦人科領域までさまざまで、症例も典型的な例から比較的稀な例まで多様です。超音波検査に関しては多くのテキストが出版されていますが、研究会や講習会、学術集会などに出席して始めて理解できることも多々あります。たとえば音楽をCDで聞くのと、コンサートでライブを聞くのでは全く印象が異なります。腹部エコー研究会の会場は、まさに超音波検査のライブ会場です。ぜひ多くの皆様の積極的なご参加をお願い申し上げます。
第129回腹部エコー研究会の当番幹事を拝命しました水口安則です。この度、日本超音波医学会第92回学術集会(森 秀明会長)に併せて、2019年(令和元年)5月25日に本研究会を同時開催させていただくこととなりました。
腹部エコー研究会は、1977年(昭和52年)に発足し、近年は定期的に年3回、おもに東京で開催されています。日超医学術集会との同時開催は、今回で3回目です。過去には、2014年5月(第114回腹部エコー研究会)に、第87回学術集会(貴田岡正史会長)、翌年の2015年5月(第117回)に、第88回学術集会(住野泰清会長)との同時開催がありました。単独開催でも毎回多くの会員の皆様にご出席いただいているところ、同時開催の効果絶大で、全国津々浦々よりさらに多数の皆様のご出席をいただき、立ち見の方が出るほど大盛況であったと記憶しております。
本研究会の特徴を一言で表せば、「こてこて」です。1症例検討に、1時間前後の時間をかけます。まず、超音波画像や動画がクイズ形式で提示されます。提示される画像情報は超音波のみです。その後、超音波像の所見の採り方やその解釈、それに基づく質的診断や量的診断の考察のみならず、超音波画像の撮像方法の善し悪しなどを含めて、時間を気にせずああだこうだと、深く丁寧に、あるいはねちねちと徹底的に討論が行われます。「解答」を知っているのは、出題者と当番幹事のみで、演出や根回しなどは一切ありません。だから、最後に結果が明かされるまで、読影する人も聴衆も「ドキドキ、ヒヤヒヤ、ワクワク、ガクガク、…」の連続です。そのためか、その場で得られた情報は、脳だけでなく深く内臓神経でも記憶されるのでしょう。あとから必要なときに、どこからともなくその症例の記憶が湧いてきます。
今回は、森会長からいただいた貴重な3時間の枠内で、3題の症例検討と、前研究会会長の万代恭嗣先生より「腹部エコー研究会 -来し方とその将来」のタイトルでお話をいただく予定となりました。皆様奮ってご参集ください。お待ちしております。
症例報告は、「最先端の情報であり、新しい知見であり、宝」です。現在目の前にいる患者さん(受診者)のため、将来やってくる患者さんのため、一緒に勉強しましょう。